【税理士】仲介業者を介入させずに士業と直接取引をするメリット!

立木音楽堂でチェロの音色を楽しむ
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先日、相続の仕事で打合せをしたお客さまに「葬儀屋さんに士業紹介パックコースを案内されたけど、それを選択せずに司法書士さんや税理士さんに直接依頼して良かった!」という声を頂きました。

話を詳しく聞くと「相続は一家にとって大切な出来事であり、一家の財産の情報を見せることになるので信頼できる士業の方に依頼したい。電話による事務的な対応でなく、直接お会いしてしっかり話を聞いて欲しい」とのことでした。

また、“仲介業者を介して士業の方を紹介されると報酬の何割かは仲介業者の懐に入る”ということもご存じでした。

私もそのお客様と考えは同じで、士業とは仲介業者を通さず直接やりとりされたほうが、メリットはたくさんあると考えます。

今回はその内容を記事にしました。

つきまとう仲介業者の影

時々、仲介業者、特に営業代行会社から電話がかかってきます。

営業代行の契約内容は似たり寄ったりですが、毎月定額の手数料を支払うほか顧問先との契約が成立がすると1年~2年の顧問報酬の30%~70%をその営業代行会社に支払うという話です。

3年目以降は営業代行会社に手数料を支払う必要はなくなりますが、紹介して頂いた顧問先との契約も打ち切りなるケースが多いです。(結果的に税理士は顧問先よりも営業代行会社の利益のために働いたことになります。)

そのほか、事務所備品をリースすれば顧問先を紹介してやるといった内容もよく聞きます。

お客さまから顧問報酬という収入を得る代わりに営業代行会社にリース料を支払うという仕組みです。

税理士と取引をするのに営業代行会社をわざわざ間に挟む必要はありません。

直接取引をしたほうがメリットがあります。

私の場合、既存のお客様の9割程は直接取引をさせて頂いています。

仲介業者を経由した場合の問題点

例えば、税理士に仕事を依頼したいとしましょう。

その仕事の市場相場は対価100とします。

仲介業者を経由した場合、仲介業者の手数料(仮に対価の40%)を加味する必要があり、その手数料をお客様側が負担するか、税理士側が負担するかのどちらになります。

大体は税理士が負担すること本来受け取るべき報酬100から仲介業者の手数料40が中抜きされるので税理士が受け取る対価は60となります。

税理士も営利組織なので、その対価60から利益を生む必要があります。

利益を生むためには、作業工程を見直して極力省きコストを抑えようとします。

✓打合せ回数の削減

✓“対面での打合せ”から“電話での打合せ”に切替え

✓工数の係るコンサル業務(新しいアイデアの考案やシミュレーション)はせず、お客さまが提供した情報の範囲内で成果物を作成。

✓税理士が直接対応するのではなく、人件費の安い無資格スタッフに対応させる。

などでコストを削減し、結果的にサービスの品質が低下します。

お客さまが税理士と直接取引をしていた場合はどうでしょうか?

税理士側は100の対価を受けとるため、(+40の)利益に余裕があります。

利益に余裕があると上記で示したコストカットをする必要がなくお客様に品質の高いサービスを提供することができます。

お客さま側からみれば、税理士と直接取引をしても、仲介業者を介しても同じ対価100です。

ですが対価は同じでもサービスの質は異なることは認識しておきましょう。

税理士問わず士業の仕事は、どれだけお客さまと内容の濃い話ができるか、どれだけ精度の高い事実確認ができるか、精度の高い情報をもとにどれだけコンサルティングができるかが重要だと私は思います。

また、士業も人間です。本来なら対価100の仕事を対価60で仕事をすることになるとモチベーションが下がります。

仲介業者を間に介入させないことは、お客さまにとっても士業側にとってもメリットがあると思います。

士業と直接接点をもつには?その方法。

私は今年は特にスポット業務で今まで一度も士業と関わったことがないお客さまと取引をさせて頂きました。(数でいうと53件ほど)

そのお客さまの多くは「士業の人とどうやって仕事を依頼したいかわからない。その士業の人が信頼に足りうる人か看板では判断できない」という悩みを抱えておられました。

気持ちはわかります。

例えば弁護士に相談したくても、弁護士事務所に気軽に電話ができるか?、弁護士事務所の扉を叩けるかといえば否です。(どのタイミングで料金が発生するかわかりません。)

個人的におすすめする方法は以下の3つかなと思います。

➀ホームページで士業の人となりや得意な分野、料金などをチェックしてメールで問い合わせてみる。自分の悩みを解決してくれる士業かどうかある程度判断できるし、料金も想定できる。

②士業と取引をしたのことのある知り合いに紹介してもらう。士業の仕事の多くはお客さまと深い付き合いとなるので、その知り合いが勧める士業のハズレの確率は小さいと思います。

③無料の相談会に参加してみる。おそらく毎月、地元の市役所や町役場に士業の無料相談会が開催されています。その相談会のなかで自分に合った先生を探してみるというのもありかなと思います。

個人的には1人士業の知り合いをつくっておくことをおすすめします。

何か困ったことがあれば、その士業からその問題を解決できる別の士業の方を紹介してもらえることも可能なので。(私も弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士などの先生と横でつながっており、税理士で解決できない事案は他士業の先生に引き継いで頂いています。)

是非、自分と士業の方との間に不要な仲介業者を入れないようにしましょう。

直接取引をして士業の方との絆を深めて頂ければ思います。


プロフィール

相続税・贈与税サービス

定期的なサポートサービス

単発のサービス

申告のみプランサービス


■編集後記

午前はフルート。昼過ぎにお客さまと打合せ。その後、バイクでカフェ巡りをします。

■運動は仕事

夕方60分ほどランニングをします。

税理士 丹尾淳史
税理士 丹尾淳史

1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒製造(フォークリフトマン&夜勤塗装)⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら

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