【税理士業】税理士の税務相談サービスについて自分の考えをまとめてみました

税務相談の加増

この記事を書いた人はこんな人です。ご興味があれば、どうぞ!

にお あつしってどんなひと?(税理士ブロガー。趣味はバイクとフルート♬)

私が目標とするひとり税理士の諸先輩方は何名かおられますが、ある先輩のホームページを見ていると「税務相談については有料(前金制)、ただし事前にお客さまから悩みや取引の状況をヒアリングしてディスカッションペーパーを準備して税務相談をお受けします」との記載がありました。

私もその内容をみて「なるほど!」と感じましたし、それが税理士の税務相談の本来あるべき形なのかなと思いました。

今回はその税務相談について、私の現時点での考え方を整理したいと思います。

無料の税務相談

税理士の無料の税務相談と言うと「最初の30分無料、それ以降は報酬がチャージされる」といったケースが多いです。

このケースの場合、お客さまは税理士にはあまり時間をかけずに回答してほしいと考えます。

30分以降は支払料金が発生するので、お客さまも税理士を急(せ)かすかもしれません。

いっぽう税理士側はいうと…。

お客さまの質問内容が比較的簡単でしたら30分以内で回答できるかもしれません。

ただ、お客さまが税理士に依頼する場合には、お客様ご自身では税務判断ができないから税理士に依頼するケースが多く、質問内容についても取引が複雑にからんだり、課税されたときの所得や税額影響が高いものなど課税リスクがあるものが多いです。

難しい質問に対しお客様に時間をかけずに回答して欲しいと要求されても、税務署の税務相談センターのような一般的な話のレベルでしか回答できず、お客様の質問の個別の事情に応じた適切な回答は難しいものと考えられます。

税務相談の手順

私が勤務税理士時代に経験した税務相談の手順は下記の通りとなります。

私の考える税務相談

□STEP1

お客様が税務判断できない取引の内容についてヒアリングします。同じ取引でもヒアリングした内容の程度によっては税務判断の結果が異なることもあるので、このヒアリングはもっとも重要な作業となります。

□STEP2

ヒアリングした内容をもとに、その取引にどのような課税リスクがあるか洗い出します。

□STEP3

洗い出した課税リスクそれぞれについて検討します。

税務判断が白黒はっきりしているものはその場でお客さまに回答することもあります。税務判断がグレーゾーンの場合には、税務判断のロジックの組み立てとその根拠づけために条文等や書籍等を確認し、また判例に基づき類似事例の検索することもありますのでかなり時間を要します。

□STEP4

お客様にそれぞれの課税リスクについてSTEP3の検証結果に基づき課税リスクの可否や所得や税額影響を回答します。

おそらく上記の手順を開始30分以内ですべてやりきるのは難しいものと思います。

STEP1だけでも30分は短すぎると思いますので。

私が税務相談サービスを提供するなら

私が税務相談サービスを提供するなら、冒頭で述べたひとり税理士の先輩のように前金制で事前にお客さまから悩みや取引の状況をヒアリングし、その情報をもとにディスカッションペーパーを準備して打ちあわせにのぞみます。

何も用意せず打ち合わせにのぞむと、お客さまも何から話していいかわからず、話が脱線してしまったり、税理士に伝えなければいけない情報を伝え忘れる可能性も高くなるからです。

ディスカッションペーパーがあるとお客さまも税理士もそれをベースに打合せができるのでお互いの意思疎通にもつながり、情報の伝え忘れを防止することにつながります。

質問内容と取引事実を深堀りして前節の手順を踏めば、お客さまの質問の個別の事情について的を得た回答ができますし、根拠づけもしているので税理士も自信をもって回答できます。

現時点ではこの方法が最もベストだと考えますが、お客さまにニーズに応じながら税務相談サービスを形づくることができればと思います。

-編集後記-

本日は日中寒かったです。

地元の滋賀県まで遠出をしましたが、京都よりも寒く感じました。

比良山に伊吹山、滋賀県を代表する山も雪化粧中です。

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