申告書・決算書は情報量が多すぎる!
法人の税務顧問の決算・申告で納品する書類は一般的に以下のとおりとなります。
・納税一覧表
・税務代理権限証書
・法人税申告書
・決算書
・勘定科目内訳書
・法人事業概況説明書
・固定資産台帳
・地方税申告書
・消費税申告書
上記の書類は少なくても30枚以上にはなるのではないでしょうか?
これに「総勘定元帳」を加えると更に書類の量は何倍にも増えます。
また、書類のあちこちに数字と専門的な用語が記載されており、なんだかとっつきにくい内容。
申告書等の書類は税理士にとっては見慣れてますが、多くの事業主さまにとっては見慣れていないものであり、ある程度税務の知識がないとが書類の内容を理解するのは難しいです。
独立する前も、多くの事業主さまに決算書や申告書の内容を説明してきましたが、決算・申告内容を事業主さまに十分に理解して頂けるように説明するのは難しく、ときには大切なポイントまで事業主さまに伝わっていないこともありました。
「決算書や申告書の内容はよくわからないけど、当期の売上高と経費と利益がこれぐらいで、これぐらい税金を払えばいいんですよね?」というセリフを事業主さまから何度も聴きました。
顧問先に伝えたい内容をピックアップすることが大切!
実は決算書や申告書は、事業を継続・成長させるにあたって多くのヒントが詰まっています。
一番メジャーなものは、資金繰りの分析と翌期の予算計画に関する情報。
法人は利益が出てればそれでOKという訳ではございません。
その利益で生じたCashを元手に借入金や法人税等や消費税等の税金を支払う必要があります。
借入金や税金等を支払った後も運転資金は確保できているかを分析し、その分析した情報をもとに翌期の目標利益や目標売上高を変動費や固定費の増減を加味して予算設定します。
これらの資金繰り分析や翌期の予算計画は決算書・申告書の情報をベースにします。
資金繰りや予算計画の情報は、事業を継続・成長させるうえで大切な情報となります。
ただし、これらの情報は、決算書や申告書を渡しただけではお客さまに伝わりません。
やはり、別途資料を作成するなどして、伝えたい内容をピックアップし、お客さまに理解して頂けるようやさしい言葉で解説する必要があります。
私はお客さまに応じ、当期の所得や納める税金に大きな影響を及ぼした税務判断や、翌期に適用できそうな優遇税制、補助金情報などを加えて記載することもあります。
「伝える」ことに付加価値をおく
難しいことを全部伝えるのではなく、大切なポイントをピックアップして相手に理解してもらえるように伝えること。
この「伝える」という行為は、難易度が高く労力を要するものです。
簿記をわからない人に簿記を理解してもらうための授業、英語が苦手な人に英語を教える授業、これらの授業には一般的は対価が支払われる、つまり付加価値があるものと社会的に認められています。
これらと同じように、申告書や決算書の難しい内容をお客さまに理解して頂けるように伝える技術も付加価値があり対価性があるものと私は考えます。
その伝える技術は税理士全員が当たり前に持っているわけではなく、伝える行為は労力が必要なもの。
その伝えた情報がお客さまの事業の継続や成長に貢献できれば、お客さまにその付加価値を感じてもらえます。
伝える力を磨き続けることも、私にとって独立して食べていくために必要な修行かなと考えています。
伝える力を自分の武器にしてお客さまに貢献できればと思います。
■編集後記
今週前半は夏風邪で体調不良に。
昨日夜から体調が回復しはじめ本日は体調良好。
午前中は法人決算。午後は京都市の行政窓口担当で無料相談会の相談員の仕事に従事しました。
1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒製造(フォークリフトマン&夜勤塗装)⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら
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