【相続税/贈与税】暦年贈与のつもりが連年贈与と認定!多額の贈与税を支払うことも!

長岡京市神足商店街にて  NikonD780 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
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毎年暦年贈与の基礎控除110万円以下の贈与なので贈与税がかからないと思っていたけど…

税務調査で「連年贈与」と判断され多額の贈与税を支払うケースをたまに見かけます。

暦年贈与が連年贈与とならないように注意点を整理しました。

暦年贈与をしていたつもりが、いつのまにか連年贈与に・・・

例えば次の事例を検討してみましょう!

相続税の生前対策の一環で、毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与をすることを親子間で契約しました。

このように、毎年100万円を10年間にわたって贈与するといったことを事前に取り決めて毎年贈与をしていくことを「連年贈与」といいます。

財産をあげる人ともらう人との間で10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることが事前に約束されている場合には、1年ごとの贈与を受けると考えるのではなく、約束した年に、1,000万円の贈与を受けたものとして贈与税がかかり、申告が必要となります。

例:連年贈与の場合(税率は特例税率を想定) 

(10,000,000-1,100,000)×30%-900,000円=1,770,000円の贈与税を負担。

覚えておきたい基礎知識

税務調査で「暦年贈与」が「連年贈与」と判断されるケースの多くは、当人の知識不足と、贈与を安易に考えすぎていることが原因かなと思われます。

正しい知識を身につけるとともに、「たぶん、OKやろ?」というアバウトな考え方を捨てる必要があります。

ここでは「贈与」、「暦年贈与」、「連年贈与」の言葉の意味をしっかりとおさえましょう。

贈与とは

贈与とは、民法上、当事者の一方(贈与者)が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方(受贈者)がこれを受諾することのより効力が生じる諾成契約である。

簡単に言うと、贈与者の申し込みと受贈者の承諾という意思表示の合致で契約が有効に成立する契約を贈与と言います。

暦年贈与

暦年贈与は、毎年贈与者の申し込みと受贈者の承諾という意思表示の合致させる必要があります。

贈与する財産の種類や贈与する金額も毎年贈与者-受贈者間で取り決めします。

つまり、毎年贈与契約書を作成することになります。

結果的に現金を毎年100万円を贈与することになったとしても、非課税枠110万円/年以内での贈与なので毎年贈与税は発生しません。

連年贈与

連年贈与は、あらかじめ贈与者との間で10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることが約束するので、贈与者の申し込みと受贈者の承諾という意思表示の合致は1回限りと考えます。

この場合は、1回限りの贈与者-受贈者間で取り決めをした年に、1,000万円の贈与を受けたものとして贈与税がかかり、申告が必要となります。

例:連年贈与の場合(税率は特例税率を想定) 

(10,000,000-1,100,000)×30%-900,000円=1,770,000円の贈与税を負担。

実務上のポイント

暦年贈与を連年贈与とみなされないためには以下のポイントに留意しましょう。

Good

贈与の都度贈与契約書を作成する。贈与した者(以下「贈与者」)、贈与を受けた者(以下「受贈者」)に同じ贈与契約書をそれぞれ1通ずつ作成して、それぞれが個別に保管する。

贈与の時期、金額、財産の種類に変化を付けることが望ましい。

(例)1年目 10/20 現金  1,000,000円

  2年目 11/10 株式   300,000円

      12/01 現金   600,000円

  3年目 12/20 現金   1,100,000円

Bad

1回の贈与契約で、10年間毎年〇〇円を贈与するといったような内容の贈与契約は、連年贈与(有期定期金の贈与)となり、贈与金額の総額に対して、初年度に贈与税がかかることに留意が必要。

今回は以上となります。

是非、ご参考ください。


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■編集後記

早朝は資産税の仕事。午前中は打合せのキャンセルが発生しましたので、運動とブログの執筆。午後から税理士業。

■一日一新

午前中ウォーキング。天気がいいので仕事の合間にランニングそする予定

税理士 丹尾淳史
税理士 丹尾淳史

1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒フォークリフトマン⇒塗装工⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら

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