【会計・税務】消費税の「3割特例」を使えるのは個人事業主のみ。2027年以降に事業をはじめるには個人事業主?それとも法人?どっちがよい?

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税理士
にお あつし

こんにちは!

滋賀県大津市出身で京都府長岡京市に事務所を構える

税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。

今回は消費税の3割特例について制度の紹介や自分の考えをブログにしてみました

(現行の)2割特例とは

消費税の計算方法は、従来から原則課税方式と簡易課税方式というものがありましたが、インボイス制度の施行が開始された2023年10月以降に「2割特例」という消費税の計算方法が新たにできました。

背景として、今まで消費税の免税事業者(2年前の売上高が1,000万円以下など)の方がインボイス制度を機に課税事業者として消費税を納付してもらいたい、ただ、「原則課税」や「簡易課税」だと消費税の納税負担が大きく、今まで免税事業者の方にとって資金繰り等にも重大な影響を及ぼすと想定されたため、比較的納税負担が軽いとされる「2割特例」ができたのかと思います。

「2割特例」とは名前のとおり、年間売上高の2割に係る消費税を納付することになります。

(例)年間売上800万円(本体価格)+税80万円の場合には、税80万円×20%=16万円が納付額。

また、「2割特例」で消費税を計算できる事業主は、

「インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になられた方」

となります。

以前は、2年前の売上高が1,000万円以下などの場合には、免税事業者で消費税を納付する必要はなかったけど、

2023年10月以降は、インボイス番号(T13桁)を記載した請求書の発行事業者として国に登録した場合には、消費税の課税事業者となり、そのような事業者が「2割特例」で消費税を計算することができます。

ここでのポイントは、「2割特例」を適用できるのは「課税事業者」なので

個人事業主も法人のどちらも「インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者となった」という要件を満たしていれば、「2割特例」で消費税を計算することができたということです。

(2027年以降の)3割特例とは

「2割特例」は個人事業主は2026年の確定申告まで、法人は2026年9月30日の属する課税期間の確定申告までの適用をもって終了となり、2027年度からは「3割特例」が適用開始となります。

「3割特例」も「2割特例」と考え方は基本同じです。

「2割特例」が年間売上高の2割に係る消費税を納付するのであれば、

「3割特例」は年間売上高の3割に係る消費税を納付することになります。

年間売上800万円(本体価格)+税80万円の場合には、税80万円×30%=24万円が納付額。

ただ、大きな違いといえば

「3割特例」で消費税を計算できる事業主は

インボイス発行事業者の登録を受けたことにより免税事業者から課税事業者となった個人事業者のみということになります。

法人は「3割特例」で消費税を計算することはできません。

法人は原則課税か簡易課税(2年前の売上高が5,000万円以下などの条件あり)かのどちらかで計算することになります。

2027年以降に事業は始めるには個人事業主と法人どっちがいいの?

ところで2027年以降に事業を始めようと計画している方のなかで、

事業形態を個人事業主として、それとも法人として事業を始めるかで迷われている方もおられると思います。

消費税の観点で考えるのであれば、

まずはスタートはインボイス発行事業者の登録をするかどうかです。

これについては取引相手の立場にたって考えて頂きたいのですが、

取引相手にとって

仕入先がインボイス発行事業者の場合には、仕入先に対する支出は消費税法上経費として認められますが、

仕入先がインボイス発行事業者でない場合には、仕入先に対する支出は消費税法上経費として認められません。(実際は経過措置のより支出の一部が経費として認められています。)

取引相手の消費税の納税負担を考慮すれば、自分がインボイス発行事業者のほうが取引相手の消費税の納税負担が軽減される点から取引先から喜ばれます。(喜ばれるということは取引相手からの受注確率も高くなる可能性があります。)

次にインボイス発行事業者になると判断したのであれば、

今度は事業形態を個人事業主として始めるか、それとも法人として始めるかの検討をしましょう。

個人事業主は3割特例で消費税の納税負担を小さく抑えることができますが、法人は原則課税や簡易課税で消費税を計算するので1期目に巨額の投資や仕入をしない限りは消費税は高くなる傾向にあります。

ただ、消費税はあくまで1要素。(消費税の負担は資金繰りに大きな影響を及ぼすため大切な要素ではありますが…。)

①業種によっては、自分が法人でないとそもそも取引をしてくれない、法人のほうが信用度があがる

②個人事業主より法人のほうが融資の上限額が高くなる傾向が高い

③申請するためには法人であることが要件とする補助金・助成金もある

などの話も聞きますので、自分が事業をするにあたりどの要素に重きを置くか判断したうえで事業形態を個人事業主にするか法人にするかを検討したほうがよいと思います。

今回は以上となります。

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