【相続税】遺産分割協議書には記載されることは少ないが相続税が課税される財産とは!?相続財産漏れ指摘をされないために注意すべきこと。

ジンベイザメ
税理士
にお あつし

こんにちは!

滋賀県大津市出身で京都府長岡京市に事務所を構える

税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。

近年、国税庁の調査でも相続税の申告漏れは増加傾向にありますが、その要因や注意すべきことを相続税実務を日々行う税理士がまとめました。

遺産分割協議書に記載されやすい相続財産

近年、国税庁の調査でも相続税の申告漏れは増加傾向にあります。

なぜ、申告漏れが多いのか?

私はその原因の大きな一つとして相続人の方々が

遺産分割協議書に具体的に記載された財産が被相続人の方(亡くなった方。以下同じ)の方の全ての相続財産である

と思い込んでいることが大きな原因ではないかと思います。

❝具体的に記載された財産❞とは何なのか?それは

①預貯金(支店名、口座番号、預金種類などを記載)

②金融商品(上場株式等、投資信託、暗号資産などで支店名、銘柄、数量などを記載)

③不動産(不動産番号、地目、所在地、地積、持分などの記載あり)

➃被相続人(亡くなった方。以下同じ)やその親族が会社を経営していた場合には自社株(会社名、数量などを記載)

⑤満期保険金(解約返戻金のある生命保険金以外の保険金(損害保険金など)で保険会社名、証券番号などを記載)

になります。

上記に加えて,

保険契約で受取人が既に指定されており、一般的には遺産分割対象外となる生命保険金 など

が多くの相続人の方が想定している相続財産となります。

ただし、相続財産は上記だけではございません。

よく、遺産分割協議書の末尾に

遺産分割協議書に記載されていない相続財産については相続人○○○○が全て相続する❞という文言の記載を見かけます。

相続税を計算する上では、遺産分割協議書に記載されていない相続財産を調査し相続財産に含める必要があります。

遺産分割協議書に記載されることが少ない相続財産

それでは、遺産分割協議書に記載されることがない相続財産、

厳密にいうと、

遺産分割協議書に記載されることが少ない相続財産とはなにか?

これらの財産を私が思いつく限りざっと挙げてみました。

【遺産分割協議書に記載されることが少ない相続財産】

・構築物(駐車場を経営されている方はアスファルト舗装が構築物に該当)

・庭園設備(自宅の庭の石垣、灯篭、ししおどし、など)

・被相続人が個人事業を営んでいたのであれば棚卸資産

・貸付金(特に多いのが被相続人が会社を経営されている場合に、その法人に貸し付けた金銭。法人側の視点では役員借入金)

・ゴルフ会員権、リゾート会員権

・自動車、バイク、自転車など

・宝石、絵画、書画、骨とう品

・被相続人の趣味用品(カメラ、釣り具など)

・特許権、著作権

タンス預金名義預金

などです。

特に税務調査で指摘が増加しているのはタンス預金名義預金

タンス預金でよくあるのは

被相続人の方の相続開始前の一定の期間内に通帳から引き出した現金。

タンスに保管していなくてもタンス預金となります。

被相続人の方の葬式費用の原資として引き出した現金もタンス預金に含まれます。

名義預金の範囲も広く

一般的には、被相続人以外の名義の預貯金ではあるが、被相続人が通帳や銀行印の保管、金融機関とのやりとりをしており実質的に被相続人の預貯金であるものを指しますが、

被相続人の過去の通帳履歴のうち引き出し額の大きいもので出金の原因・理由(理由の例:リフォーム工事代、海外旅行代、子・孫への贈与など)の説明がつかないもの

も名義預金に含まれる可能性もあるため注意しましょう。

過去の贈与も相続財産に含めることも!

相続財産を相続する方が過去に被相続人の方から贈与を受けていた場合には、その過去の贈与を相続財産に含めることもあります。

税務署に届け出をしていない通常の贈与の場合、

被相続人の相続開始日が

①~令和8年12月31日までの場合

相続開始前3年以内の贈与財産を相続財産に含める

②令和9年1月1日~令和12年12月31日

→令和9年1月1日~令和12年12月31日の贈与財産を相続財産に含める

③令和13年1月1日~

相続開始前7年以内の贈与財産の贈与財産を相続財産に含める

ことになります。

では、青の期間を加算対象期間と言いますが加算対象期間より前にあった贈与だと大丈夫なのか?

個人的に注意すべき点は

相続人の方が多額の出費が必要なときに被相続人の方から資金援助を受けたとき、

具体例で挙げると、相続人の方(子)がマイホームを購入するときに被相続人の方(親)から資金援助を受けたときに注意すべきかと思います。

この資金援助は、被相続人の方(親)から相続人の方(子)への贈与になりますが、

この贈与について税務署が届け出が必要な贈与(相続時精算課税制度の贈与)をしていた場合には、加算対象期間より前の贈与であっても、被相続人の相続財産に加算する必要があります。(※令和6年度の税制改正により、相続時精算課税制度を利用した贈与でも、年間110万円の基礎控除部分は相続財産に加算しなくてもよくなりました。)

本来は、通常の贈与でも、税務署の届け出が必要な贈与でも、贈与税の申告は、贈与を受けた者(相続人の方(子))がご自身でするものであり、ご自身が申告すれば申告書の保管をしていたり記憶に残るのですが、

贈与をした者(被相続人の方(親))が主導で贈与税の申告を行っているケースもあり、贈与を受けた者(相続人の方(子))が贈与をあったことに気づいていないケースもあります。

相続が発生したときは過去の資金援助に対し申告書の提出があったどうかは税務署等で閲覧もできますので確認することをおすすめいたします。

相続財産が漏れていると税務調査の対象となったり、税務調査で指摘を受け過少申告加算税や延滞税などの罰金を支払うことになります。税務調査も心労が重みますからね。

今回の記事を参考にしていただけると幸いです。

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