最近の流行りは「仕事のみ」と付き合い
大手税理士法人に勤めていた頃、「○○ハラスメント」に関する社内研修を受講する機会が多かったです。
社内研修の多くは、海外(主にアメリカ)の職場を舞台としたショート動画で、その動画を視聴してどの人物のどの行為が「○○ハラスメント」に該当するかを回答していくものです。
「○○ハラスメント」に多くの種類があり、最終的には
・性別
・年齢
・出身
・経歴
・趣味、嗜好
・結婚
・恋人や友人の有無
・生き方、哲学
などの話題は仕事に持ち込まない。
社内の同僚やお客さまとはあくまで「仕事上の関係」で終始することが望ましいといった内容です。(その頃から「タイパ」という言葉が流行しはじめたと思います。)
この社内の同僚やお客さまとは「仕事の関係のみで終始する」スタイルは最近の流行かなと思います。(大手企業や行政のサービスを受けるとより実感します。)
この流行は社内研修制度にお金をかけることのできる大企業や地方公共団体などの従業員や職員の多い組織ほどその傾向があり、今後も大企業から中小零細企業へ、都市部から地方へと徐々に浸透されるものと思います。
人間は“自分のことを話したい”という本能がある
前節で述べた社内の同僚やお客さまとは「仕事の関係のみで終始する」スタイルが流行となった現在において、仕事以外について、自分のことを相手に話したり、相手の話を聴いたりする機会はかなり激減したかなと思います。
自分のことを話せる相手は家族だけだという人が世の中の大半かなと。
いっぽうで、私は人間は“自分のことを話したい”という本能がある動物だと思っており、自分の話を真剣に話を聴いてくれる相手を常に求めるものと思います。
また、話を聴く側もその人の話を聴くことによって新しい知見を手に入れることができますし、その話を通じて自分にとって未体験なことを頭の中で疑似体験することができます。
時代に逆行し、少数派になったほうが成功しやすい
社内の同僚やお客さまとは「仕事の関係のみで終始する」スタイルが流行すればする程、
「仕事以外のこともお互い話をできる関係を築く」というスタイルにポジショニングをとることが、自分の強みになります。
(私はひとり税理士スタイルで職場の同僚がおらず、お客さまに限定されますが、)
もちろん、お客さまが自分のことを話したくないのであれば無理に聞き出そうとはしません。
いっぽうで、お客さまが仕事とは関係のないお話をされてた場合には、その話もしっかりと聴くようにしますし、お客さまの話を自分なりに解釈をして、自分の考えをお客さまに伝えるようにします。
例えば、スポットで資産税業務を依頼されたお客さまが資産税とは関係のない話、例えば、お客さまの仕事や経歴の話をされましたら、私もその話をしっかりと聴きますし、その話を深掘りすることがあります。
仕事の話を通じて、そのお客さまの生き様や哲学を感じることもありますので。
また、私自身も自分のことを誰かに聴いて欲しい願望がありますので、お客さまの話を聴くだけでなく自分の生き方や価値観を話すこともあります。
“仕事とは関係のない話をお互い話せる関係”を築ける能力は自分の大きな武器となります。
「仕事の関係のみで終始する」スタイルが時代の流行となるのであれば、その流行に逆境したポジショニングをとって、少数だけど実はかなり需要のある存在となっていきましょう。
-編集後記-
昨日は、
午前中は金融機関のパートナー協定業務。
お昼に、母校の同志社大学に卒業証明書を取りに行きました。
午後から、相続業務で不動産の現地調査。
事務所に戻って引続き資産税業務。
勤務時間内に10km程歩いていたようでトレーニングはPass。
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は、「仕事だけの関係」が望まれる社会の中で仕事以外の話ができるという強みについて整理しました。