【働きながら税理士試験】 その②「合格レベル」

本試験のイメージ
本試験のイメージ

 

働きながら税理士試験に挑戦する人(以下「兼任受験生」)を応援、第2弾!

今回は私が考える「合格率の検証」と「合格レベル」についてです。

合格率の検証

簿記論13.2%、財務諸表論22.4%、法人税法12.4%、相続税法11.7%。消費税法13.1%。

私が合格した各科目のその年度の合格率です。

最近は会計科目の簿記論と財務諸表論の合格率が上昇している傾向にありますが、税法科目の合格率は依然として10%~15%付近を推移しており、受験生にとって税法科目は大きな壁となって立ちはだかっています。

“税理士試験は本気の受験生が多い、その中で10%~20%の試験に5回突破する、しかも働きながらなんて。無理ゲーじゃね?”と思う方もおられますが、ここで重要なのは合格率に惑わされないことです。

 

私の合格率の考え方は以下の通りです。

相続税法を例にとってみましょう。

 

<私の考え方>

相続税法の受験者数2,897人。うち合格者数は338人。

受験者数のうち真剣に合格を目指している人は何人やろ?

合格を目指す人は税理士試験にめっちゃ強い大原がTACに通っているはず。受験者数のうち大原生が400人。TAC生350人。それ以外の専門学校の生徒で大原生とTAC生に互角に戦えるのは350人ぐらい。∴計1100人。

僕が考える合格率は338人÷1,100人=30.7%

 

合格率30.7%の試験を5回であれば、決して無理ゲーなんかでなく働きながらでも頑張れば合格できるという勇気が湧いてくると思います。

重要なのはこの合格レベル(合格率30.7%≒大原・TACの成績で上位30%)というのが、どのような状態のことを指すのかを正しく理解することが大切です。

 

合格レベル

私は、本試験当日の理論と計算の合格レベルの状態というのは以下のように考えています。

 

【理論】

✓ランクAの理論:すべて暗記。1語1句間違えないよう意識しながら精度を重視。

✓ランクBの理論:すべて暗記。ランクA程ではないが、できる限り精度を高める。

✓ランクCの理論:ランクA・Bの理論に絡めて出題される可能性があるものは暗記。それ以外は要約して書けるように訓練。

✓直前テキスト記載の設例(理論ドクター含む)と直前期の答練の理論問題に係る柱上げを日々訓練していること。本試験で類似の問題が出題されたらしっかり柱上げをできるレベル。

✓頭の中にサブノート(理論マスター)が丸々1冊入っているような状態で、書きたい柱の内容について、目次からテーマ→理論項目→柱の順にページごとの記載内容をピクチャーでイメージできること。

具体的にいうと、例えば、理論項目“小規模宅地等の課税価格計算の特例”の“申告要件”を書きたいのであれば、まずは目次からスタートして、“ 課税価格計算のテーマ“→“課税価格計算のテーマのうち何番目の理論項目が小規模宅地等の課税価格計算の特例 ”→“申告要件はこの理論項目のうち何番目の柱”と順序だてて画像でイメージしていきます。

本試験ではこれを脳内で瞬時(2~3秒)にやります。

 

【計算】

✓直前期の答練とトレーニング集と同じような問題が本試験で出題されたらしっかり回答できるレベル。

✓計算問題の最初の長い文章(問題の前提条件が記載)を落ち着いて読める冷静さがあること。

 

そのほかに【時間配分】(理論50分以内で残り70分は計算、埋没問題の見極め)や【こころの余裕】(解けない問題が出題されても動揺せず、解ける問題から取りかかる)等の大切な要素がありますが、話が飛躍するので今回は省略します。

 

合格レベルに到達すれば

兼任受験生の最大のネックは「勉強時間の確保」です。

仕事しているから勉強時間が確保できないことを理由に、直前期に入るまでに理論の暗記が間に合っておらず、直前期の税制改正理論の暗記も中途半端、悩んだ挙句、本試験の日から逆算して勉強時間が足らないことを悟って暗記する理論の範囲も縮小、自信がもてない状態で本試験に挑み、12月の合格発表で「不合格」。

こういったループに陥っている兼任受験生は多いのかなと思います。

兼任受験生は専念受験生より「勉強時間の確保」という点で不利な状況です。

しかし、合格レベルまで自分の実力を引き上げることができれば、その不利な要素をゼロにできますし、本試験のプレッシャーは「受験期間中も働いて実務面で成長しお金を稼いでいる兼任受験生」よりも「受験勉強だけに時間を捧げてきた専念受験生」のほうが高いので、心理面において逆転現象が起こるものと私は考えています。

 

まずは本試験前日までに「合格レベル」状態まで自分の実力をあげるための工夫が大切です。

そしてその工夫の鍵となるのは1月~4月(演習期)、5月~本試験(直前期)の日までの勉強計画です。

次回はその勉強計画をお話させて頂きます。(1月24日(日)前後に投稿予定)

-編集後記-

ビジネスや遊びのアイデアが生まれやすい時間帯ってありますよね。

私はランニングしている最中です。

ランニング後はシャワーよりも先にPCを開いてアイデアをメモっています(^^)/

浮かんだアイデアって忘れるのも早いので。

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