節税手段として有名な小規模企業共済と経営セーフティネット共済
税理士業界で働くと必ず触れることになる
・「小規模企業共済」
・「中小企業退職金共済制度」
この3つは節税商品(手段)として有名で私もスタッフ時代から節税が必要なお客さまにこれらの商品を提案させて頂きました。
今回、タイトルに表記した「小規模企業共済」と「経営セーフティネット」
この2つを節税と資産防衛の観点でみると
掛金×税率の税金を節税することができ、かつ、一定の期間、掛金を拠出すれば、掛金全額又は全額以上のお金が戻ってくるという商品です。
小規模企業共済の掛金は年間Max84万円、経営セーフティネットの掛金240万円なので、
例えば所得税の税率が20%、住民税の税率が10%の人が、Maxで掛金を拠出した場合、
かなりざっくりですが、(84万円+240万円)×30%(所得税20%+住民税10%)=97万円/年を節税することが可能です。
もちろん解約したときに税金が課税されますが、受取方法を一時ではなく分割にしたり、業績が良くない年に解約する、退職金として支給し退職所得の非課税を有効活用するなどやりようはいくらでもあります。
資金に余裕があるのであれば、低利率の預貯金として置くよりも、小規模企業共済や経営セーフティネットに資産換えをするほうが節税の恩恵を受け、資産を防衛するという点で優れているのかなと思います。
掛金拠出の資金を預貯金増加高でまかなえるか!
理論上は前節のとおりなのですが、
私も今年、実際に小規模企業共済と経営セーフティネットに検討し拠出したときに、やはり資金繰りが気になりました。
小規模企業共済は個人事業主(フリーランス)の退職金制度で自身の退職時(一般的に65歳が多い)まで掛け続けることになります。(65歳で解約した場合、解約返戻率100%以上の見込)
また、経営セーフティネットは掛金の積立額の上限が800万円で40か月以上拠出すると解約返戻率100%で返ってきます。
掛金の増減設定は可能ですが、小規模企業共済も経営セーフティネットもMaxで拠出すると
今年を含む最初の3~4年は324万円/年、4年~5年以降は84万円/年の資金が必要となり、毎年の預貯金残高の増加額で余裕をもってその資金をまかなうことが理想となります。
ただ、事業の経営に絶対はなく、
事業の経営が不振となった場合に、小規模企業共済や経営セーフティネットの掛金が資金繰りを圧迫しないか少し不安になりました。(もちろんそのときは掛金を減額しますが)
いっぽうで「この3~4年は掛金を心配することがないぐらい稼いでやるぞ!」と自分を鼓舞(こぶ)する材料になると思いましたが、最近の自分の価値観は「健康>時間>お金」のため、どこまでその気持ちが続くのはわからないですね(笑)
やはり、掛金の拠出がお金の流動をとめるという点が最後の最後まで気になった点です。
机上の空論よりも実体験ベースの話のほうが価値は高い
スタッフ時代は会社員(被雇用者)。
会社員(被雇用者)の場合は、小規模企業共済や経営セーフティネット共済の加入はできませんが、仮に加入できたとしても、会社員時代は預貯金増加額の伸びはそこまでよくなかったため加入の検討はしていなかったと思います。
スタッフ時代は自分自身が経験していないことを、事業主であるお客さまに提案していました。
自分自身が経験していないと、全てが理論上の話、机上の空論で説得力に欠けます。
お客さまに小規模企業共済や経営セーフティネット共済を提案する際は、まずは自分自身がその共済に加入し、メリットと掛金の資金確保を実体験してみる。
机上の空論よりも実体験ベースの話のほうが価値ははるかに高く説得力が増します。
また、この真実は小規模企業共済や経営セーフティネット共済に限ったことではありません。
・お客さまに事業の話をするのであれば、自分自身も事業を営んでみる
・お客さまに事業に係る納税の話をするのであれば、自分自身も法人税、所得税、消費税を納付し、納税の負担を体験する
・お客さまにidecoやNISAを提案するのであれば、自分自身がidecoやNISAを運用し、お客さまに提案する金融商品を買ってみる など
もちろん、自分自身が経験していない内容をお客さまに提案することもありますが、なるべく自分自身が実体験した内容を提案する割合を増やす心がけは大切かなと思います。
自分の営む税理士業を通じて様々なことを実験・経験し、実体験ベースの話を織り交ぜて提案力を高めていきたいですね!
■本日の仕事
オフ
□趣味日誌(フルート、フルマラソン、バイク、写真など)
フルートフェスティバルの前日練習。
実行委員会のメンバーのため、当日下準備も少々。
マラソン練習は15kmのペース走(Ave 5分18秒/km)
地元の中学の先輩から連絡があり、来年も大津市民駅伝に参加する予定です。
1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒製造(フォークリフトマン&夜勤塗装)⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は「税理士自身が体験することの大切さ」について述べたいと思います。