独立開業の計画を立てるときに、まずは事業計画(経営計画&資金計画)と自己資金計画を練ろうとする方が多いと思います。
これは創業融資を受けるためにも事業計画の自己資金の2つが重視されているため自然なことかなと思います。
ただ、個人的にはこの2つの計画を練る前に自分の目指すビジネスがどのような事業形態でありどんな特徴をもつのかを事前に知っておくと事業計画がスムーズに行きます。
あなたの目指すビジネスはどの事業形態に該当するかチェックしましょう。
1.独立店舗
【特徴】
事業主の経営手腕が最も問われるハイリスク・ハイリターンな事業スタイルです。
【事業例】
飲食店、雑貨店、アパレルショップ、フラワーショップ、エステサロン、理美容室etc
【メリット】
・頑張り次第で大きな収益が期待できる
・独自性に富んだ事業経営がしやすい
・地域密着型で常連客を獲得しやすい
【デメリット】
・内外装費などの多額の初期費用が発生
・立地の失敗すると倒産のリスクが高くなる
・開業までに多くの準備や手続きがいる
【特に大切なポイント】
・何よりも立地条件が大切で立地によって売上が大きく変わることを意識しましょう。家賃との兼ね合いもあるが、自分の事業コンセプトにかなった場所に出店することが大切です。
・居抜き物件で設備投資に必要なコストをおさえましょう。
2.フランチャイズ
【特徴】
ノウハウがなくても大手チェーンに加盟すればすぐに開業することが可能なスタイルです。
【事業例】
居酒屋、ファーストフード、コンビニエンスストア、中古車販売店、フィットネスクラブetc
【メリット】
・未経験の状態からでも開業できる
・店舗や機材を自分で用意しなくてもOK
・チェーンのブランド力で集客も安定
【デメリット】
・毎月の売上からロイヤリティーを支払う必要がある
・店舗の経営方針を自由に決められない
・契約を中途解約した場合に違約金が発生
【特に大切なポイント】
・自分が考える開業条件と近い加盟店の事業実績を本部に見せてもらうなどして加盟店の事業実績を調べましょう。
・アルバイトなどを採用して人件費を削減するほか、来店状況に応じて2~3時間単位で従業員を調整するなど、極力無駄のない人員配置をすることがカギです。
3.移動販売
【特徴】
場所に限られず、日によって営業場所を自由に変えられるスタイルです。
【事業例】
弁当販売、軽食販売(ホットドック、焼き芋など)、食料品販売(豆腐など)etc
【メリット】
・短時間でも効率的に商品が売れる
・商品が数点でも事業が成り立つ
・賃料などの固定費がかからない
【デメリット】
・長時間営業することはできない
・天候に客先が左右されやすい
・営業場所が確保できない場合もある
【特に大切なポイント】
・移動販売を行うために保健所に移動販売車の設計図を出し、営業許可を取る必要があります。
・短時間で多くの商品を販売する必要があり、あらかじめ作ったモノを売るのではなく、その場でから揚げを揚げたり、ごはんにトッピングするなど「できたて感」を演出することが大切です。
4.ネット販売
【特徴】
あらゆる面で自由度が高く世界中のいろいろな人を相手に商売ができるスタイルです。
【事業例】
ネット販売、アプリ配信、中古品や古書などの販売、オリジナル商品の販売etc
【メリット】
・駐車場や場所に限らずに営業できる
・副業としてはじめることができる
・世界中から新規客を獲得できる
【デメリット】
・厳しい価格競争にさらされやすい
・流動がはげしく固定客を獲得しにくい
・広告の成果で売上が極端に変動する
【特に大切なポイント】
・ネット販売は誰も訪れないサイトをつくっても無意味なので楽天やAmazonなどの「サイバーモール(インターネット上の商店街)」に登録しましょう。登録料や手数料はかかりますが集客力は高く、便利な受注・決済システムなどのサービスが利用できます。
・実店舗では買いづらいモノ(アンティーク家具や工業用部品など)など時間と場所に捉われないネットだからこそ利便性が感じられる商品を扱いしましょう。
5.SOHO(在宅ビジネス)
【特徴】
自分の腕と経験が頼りのフリーランスのスタイルです。
【事業例】
ライター、デザイナー、カメラマン、プログラマー、イラストレーター、翻訳家etc
【メリット】
・自分のスキルやセンスを活かせる
・少ない預金で開業できる
・在庫リスクがほとんどない
【デメリット】
・人脈がないと事業経営が困難
・現金回収まで時間がかかる
・徹夜など時間が不規則になりがち
【特に大切なポイント】
・自分に協力してくれる同業者がどれだけいるかが大切です。急な仕事を頼める仲間がいると、短いスケジュールの案件にも対応可能となり、受注できる仕事の幅も広がります。
・まずは人脈を広げることが重要となります。これまで培った人脈を活かすことで安定した受注を見込めるほか、人づてに新たな取引先を紹介してもらえる可能性があります。
事業形態の特徴を知って事業計画を練ろう
今回、一般論になりますが5つの事業形態を紹介していただきました。
だいたいの事業はこの5つのうちのどれかに該当するものと思います。
注意していただきたいのは、この業種だからこの販売形態だと決めつけないことです。
特にコロナ前後で我々の「働き方」が変化しました。
コロナ前後で、事務所をもって仕事をすることが常識⇨事務所をもたず在宅で仕事をすることが常識となった業種もあると思います。(例:独立店舗型⇨SOHO(在宅ビジネス))
自分のこれから目指す将来のビジネスがどの事業形態に該当し、どんな特徴をもつのか事前に知っておくと事業計画も練りやすいので、これから独立開業や副業をしようとする人は是非ご参考ください。
また、昨日紹介しましたが、将来のビジネスの収支表のイメージを表現しておくことも事業計画を立てるのに役立ちます。こちらもご参考に!!
-編集後記-
昨日チョコバットの袋詰めを購入してしまい、昨日と今日の2日間で食してしまった。
お菓子があるとつい食べたくなるので要注意(^^)/
この記事を書いた人はこんな人です。ご興味があれば、どうぞ!
にお あつしってどんなひと?(税理士ブロガー。趣味はバイクとフルート♬)