社会が求めるニーズは最終成果物だけではない
サービスの工程のモデルを一つ描いてみました。
A~Cの作業工程をたどってG仕掛品(工程)を制作、D~Fの作業工程をたどってH仕掛品(工程)を制作し、更にG仕掛品(工程)とH仕掛品(工程)を掛け合わせて最終成果物を制作し、お客さまに納品するといったモデルです。
社会的にニーズがあるのは完成形である最終成果物ですが、
実は最終成果物に至る前のG仕掛品(工程)、H仕掛品(工程)を欲しいというニーズ、更にはその前のA~F工程をそれぞれ個別に抜き出して依頼したいというニーズもあります。
具体例でいうと、
私が受ける途中工程のサービスとして
例えば、私が通う美容室では、ヘアーカットと眉毛の手入れをセットで1つのメニュー(ヘアーカットをする途中過程で眉毛の手入れをしてもらうサービス)を提供していますが、眉毛の手入れを単発で依頼することもできます。
私の毛の特性上、カット後は、髪の毛よりも眉毛のほうがいびつな形になりやすいため、次のカットまでの間に、単発で眉毛の手入れのサービスを受けに美容室に足を運んでいます。
いっぽうで私が提供する途中工程のサービスとして
土地の(税務上の)時価評価サービスというものがあります。
土地の財産評価は相続税申告業務や自社株評価業務の途中過程における1業務の位置付けとなりますが、土地の時価評価サービスのみを単発で依頼を受けることがよくあります。
最終成果物はもちろんのこと、途中の工程も1サービスとして値付けすることが利益を残すうえで大切です。
各工程も1サービスとして値付けするメリット
最終成果物だけでなく、途中のそれぞれの工程についても値付けするメリットは以下となります。
コストの回収可能性が高く利益を残しやすい
・仕掛品の状態でお客さまに報酬を請求する恥だ。
・今後のお客さまとの付き合い(将来の収入)を考慮して、途中で終わった案件の報酬は請求しない。
・仕掛品の状態でもお客さまに報酬を請求するようなサービス体制が整っていない。
こういった理由で
案件が途中で終了した場合(最終成果物の完成までたどり着かなかった場合)、お客さまに報酬を請求しない事業者が一定数います。
ただ、前節で述べたように最終成果物以外のもの(仕掛品(工程)、個別の作業工程)を求めるニーズが社会に存在しています。
また、個別の作業工程や仕掛品(工程)までたどり着いた段階で多くのコストと時間を要しています。
途中の工程も1サービスとして値付けをしてお客さまに報酬として請求し、しっかりコストを回収し利益を残しましょう。
最終成果物の価格の説得力が増す
私が提供するサービスの多くは、
最終成果物の報酬金額は、各工程・各仕掛品(工程)のサービス価格が組み合わさって構成されています。
お客さまに最終成果物の報酬の根拠を説明する場合にも、
最終成果物に至る作業工程の概要を説明、それぞれの作業工程のサービス価格を提示し、トータルで最終成果物の報酬金額(一部の工程については割引も適用)をお伝えするようにしています。
いきなり、最終成果物の報酬金額のみを伝えられる場合よりも説得力が増すものと私は考えています。
多様なニーズに応えることができる。
何度も述べていますが、社会には様々なニーズがあり、最終成果物だけがニーズがあるという訳ではありません。
途中の作業工程や仕掛品(工程)の依頼をスポットで対応できることで、ビジネスチャンスをより多く生まれるものと考えます。
1サービスとして公開し、世の中に知ってもらう!
途中の工程や仕掛品(工程)も1サービスとして値付けをする大切さを知っている事業者は多いと思います。
しかし、値付けをし、メニュー表に書き込み、ホームページに公開しているとなると、実際に行動している事業者は少ないと思います。
ただ、それだと本当にもったいない。
途中の工程や仕掛品(工程)も1サービスとして世の中に公開しないと、お客さまからの依頼は見込めないです。
世の中に公開し、「自分は社会の様々なニーズに応えられますよ」とアピールする。
メニュー表を公開していると、同業者に真似される可能性もありますが、個人的には真似されていても問題ないかなと思います。
インプットはするが、それをアウトプット(行動)しないのが、世の中の大半。
自分も含めて、実際に行動する少数派が少し増えるに過ぎないです。
途中の工程や仕掛品(工程)も1サービスとして世の中に公開し、社会の様々なニーズに応えていきましょう。
それが社会貢献にもつながりますからね。
-編集後記-
午前中は資産税や給与計算など。
午後はオフ
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は、について整理しました。