【会計・税務】会計の自動機能やAIを妄信し過ぎてはいけない理由。スーパー消費税課税の落とし穴。

落とし穴にはまらない
落とし穴にはまらない

税理士
にお あつし

こんにちは!

滋賀県大津市出身で京都府長岡京市に事務所を構える

税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。

私自身、会計の自動機能やAIを駆使して会計支援をしていますが、今回はその落とし穴について自分の意見をまとめてみました。

仕入税額控除の要件

消費税の計算のざっくり式に表すと

売上に係る消費税 △ 仕入・経費に係る消費税 = 納める消費税

となりますが、

「仕入・経費に係る消費税」のことを専門用語で「仕入税額控除」と呼びます。

仕入税額控除は納める消費税を減らす効果があり、仕入税額控除の金額が増えれば増えるほど、納める消費税が減ります。

ただし、仕入税額控除は納税者有利の制度であることから、仕入税額控除が認められる要件も厳しく、その要件とは、主に以下の内容が記載された帳簿と請求書等(契約書・領収書も含む)を一定の期間保存することとなります。

⑴仕入れの相手方の氏名または名称

⑵仕入れを行った年月日

⑶仕入れに係る資産または役務の内容

⑷仕入れに係る支払対価の額

例えば、2026年1月1日にA店でB材料を6万円購入したとします。

帳簿には、

2026年1月1日 消耗品費 6万円 /現金 6万円  A店 B材料の購入

と記載していれば要件を満たし仕入税額控除を適用することができますが、

2026年1月1日 消耗品費 6万円 /現金 6万円

のみの記載だと、「⑴仕入れの相手方の氏名または名称」と「⑶仕入れに係る資産または役務の内容」の記載がなく要件を満たさないため仕入税額控除を適用することができません。

経理を自動化したときの落とし穴

会計ソフトの自動経理機能やAIを駆使して経理された会計データを見る機会がありますが、

会計データを構成する個々の仕訳を確認すると、

仕入税額控除の要件である帳簿の記載事項(前節の⑴~⑷)の全てが記載されない仕訳を見ることがよくあります。

特に傾向として

⑵仕入れを行った年月日

⑷仕入れに係る支払対価の額

の記載はあるが、

⑴仕入れの相手方の氏名または名称

⑶仕入れに係る資産または役務の内容

の記載の抜け落ちを見かけます。

しかも、その抜け落ちを発見した場合、大体は少数の取引に係る仕訳だけが抜け落ちているのではなく、ほぼ全ての取引に係る仕訳で⑴と⑶が抜け落ちてます。

もし、この帳簿の状態で税務調査に入った場合、最悪、ほぼ全ての仕入・経費に係る仕入税額控除が認められず、売上に係る消費税≒納める消費税として納税しなければいけないことになります。(税務調査中、調査後に⑴と⑶を追加で記載しても仕入税額控除は認められない可能性のほうが高いです。)

仮に、売上に係る消費税≒納める消費税として納付した場合、資金繰りに大きな影響を及ぼし事業を継続するにあたり致命傷を負いかねません。

会計ソフトやAIの自動経理機能で経理された会計データが正しいものだと妄信するのではなく、仕入税額控除の帳簿の要件を満たした帳簿作りができているか定期的にチェックしましょう。

便利なツールの弱点を知っておくこと

私自身、会計ソフトの自動経理機能やAIを駆使してお客さまの会計支援をしていますが、会計ソフトの自動経理機能やAIにも弱点があります。

会計ソフトの自動経理機能やAIが苦手なものとして

①一つの証憑書類(レシート・領収書・請求書等)につき2以上の仕訳を経理をする

②インボイス番号の有無の判定の解析が万全でない

③法人の経費でない私生活のレシート・領収書・請求書を読み込ませても経費として処理してしまう

などです。

①については今のAIの技術なら簡単に解決できそうなものですが、

例えば、借入金の元利返済。

元本100,000円、融資利息5,000円の合計105,000円を普通預金での支払いの場合、会計ソフトには105,000円の取引明細データが読み込まれますが、この取引明細を長期借入金100,000円と支払利息5,000円と2つの仕訳に分けて自動経理するのは現状難しいです。

ほとんどが支払利息105,000円であったり、長期借入金105,000円であったりと1取引明細につき1仕訳を作成してしまう傾向にあります。

この部分については人の目でチェックする必要があります。

また、③については私生活の費用に係る証憑書類を会計ソフトに読み込ませると何かしらの経費で計上してしまう傾向にあります。

つまり、会計ソフトに証憑書類を読み込ませる直前の操作者の税務判断が重要であって、経費にならない証憑書類は会計ソフトに読み込ませないという選択がこの場面においては正解となります。

会計ソフトの自動経理機能やAIが得意とするもの、苦手とするもの。

会計ソフトの自動経理機能やAIに委ねてもいいもの、委ねてはいけないもの。

その境目を見極めることも税務で痛い目を見ないためのポイントとなります。

今回は以上となります。

現時点の弊所が対応しているエリア

対面で対応しているエリア下記の地域以外でも対応可能です。

■京都府

主に京都市、長岡京市、向日市、大山崎町、久御山町、亀岡市、南丹市、宇治市、木津川市、和束町など

■滋賀県

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■兵庫県

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