立替経費をもれなく集計しないと損する
タクシー代や電車代など自分のお金で立替えしてたのに。
日々の仕事に追われ、領収書を集めて金額を集計する時間もなく、領収書の提出期限が過ぎて結果的に自払扱いに!(そんな“はした金”は残業代で取り返す、それよりも仕事をせねば...。実は年間通してみるとかなり損してた(悲))
私がサラリーマン時代によく経験した話です。
この話は独立しても一緒。
「経費の立替と精算」は独立しても付き合うことになります。
私の場合、スポット業務は税理士報酬のほかに立替経費を別途精算しています。
例えば、資産税業務。
お客さまの代わりに各種謄本、残高証明、評価証明などの書類を取り寄せますが、これらは一旦私のほうで立替えます。(他にも細かい経費の立替えあり。)
私は財布に必要最低限の現金しか入れないため、これらの経費はクレカで支払い。
当月に経費を立替え、成果物の作成し、お客さまに納品。
そして、翌月1日に請求書を発行。(請求書には、税理士報酬のほかに経費精算の欄を設けて立替経費を請求します。)
このとき立替経費の集計にもれがあると損することになります。
この集計もれも“塵も積もれば山となる”で
年間通してみるとかなり損した金額となります。
リアルタイム会計を実現して、集計もれを防ぐ
立替経費が発生する都度、別途Excelなどに入力し集計するという方法がありますが、タスク(仕事)が余計に増えるため非効率的です。(非効率なタスクは“もれ”の要因となります。)
事業をしていると、本業とセットで「経理」をする必要があります。
その「経理」の中で立替経費の集計をするのが効率的かなと思います。
具体的には、
会計科目に「立替金」という勘定科目があります。
ほぼ全ての会計ソフトには「補助科目(取引先タグ)」を設定することが可能で、「取引先」ごとに区分して立替経費を集計することができます。
イメージはこんな感じ。
「立替金」-補助科目➀「A株式会社」・・・A社の業務で立替えた経費を集計
-補助科目➁「B個人客」・・・B個人客の業務で立替えた経費を集計
-補助科目➂「C有限会社」・・・C社の業務で立替えた経費を集計
あと、大切なのは経理のリアルタイム化ですね。
経理の立替金勘定を使用して立替経費を集計したとしても、リアルタイムに経理していないと、
前節に述べたようなケース
“当月に経費を立替え、成果物の作成し、お客さまに納品、翌月1日に請求書を発行”の仕事には対応できないかと。
当月の経理を何か月もあとにするような事業主には厳しいです。
ただ、経理のリアルタイム化できていると前節のケースでも対応できますし、
➀リアルタイムで事業の業績が把握できる
➁損しない体制で素早く請求書を発行できるため、資金繰りも改善
という恩恵も受けることができます。
リアルタイム会計を構築するために
リアルタイム会計を構築するために何が必要か。
個人的には
「クラウド会計」の導入と「自動経理化の構築」が必要かと思います。
「経理」を後回しにする人は、「経理は面倒くさい」と感じる人が多いです。
「経理は面倒くさい」を分解すると
➀(日付、取引先、取引内容、取引金額など)の入力が手間
➁勘定科目が合っているかわからない
の要素に区分できます。
クラウド会計を導入すると
銀行口座やクレジットカードの取引明細を自動で会計ソフトに取り入れることができます。
会計ソフトの機能で➀取引日、➁取引先、➂取引内容、➃取引金額、⑤勘定科目などは推測されます。
全てが正しく推測されないので誤っている箇所を修正していきます。
確かに修正作業は発生しますが、入力作業の大部分を省略することができます。
あとは
会計ソフトの推測機能の精度を高める必要があります。
具体的には、会計ソフトに取り込んだ取引明細ごとに正しい「取引先・取引内容・勘定科目のルール」を紐付けする。(この紐付け作業が「自動経理の構築」)
この紐付け作業は地道な努力が必要ですが、この努力を続けることで会計ソフトの推測機能の精度は高まります。
正しい勘定科目の判断は、事業主本人が簿記の勉強をするのもありですし、税理士や会計士などの専門家に自動経理の構築を依頼するのもありかなと思います。(誤った自動経理を構築してしまうと業績(利益)計算も誤り、連動して税金計算も誤ってしまうので。)
リアルタイム会計を実現して、立替経費をもれなく集計して、素早く請求をして資金繰りを改善しましょう。
リアルタイム会計は事業主にとって最大の防御かなと私は思います。
-編集後記-
本日は仕事とランニング。
昼寝をして夜から知人と奈良県の大台ケ原に行き星空を撮影しにいきます。
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
リアルタイムタイム会計こそ最強の防御である、ことを実体験を交えて説明いたします。
是非、ご参考ください。