税務顧問を引き継ぐと前の会計事務所の質を把握できる。
期中から税務顧問を引き継いだときに遭遇することとして…。
とその前に、
私は税理士本人がお客さまの税務顧問を担当をするタイプですが、前任の会計事務所の多くは私のタイプとは異なり、税理士は事務所経営に特化し、お客さまの税務顧問を担当するのは税理士資格を持たないスタッフというパターンが多いです。
このタイプの事務所は税務顧問の担当する現場のスタッフに裁量権がないため、訪問時の業務効率化ができていないケースが多い傾向にあるのかなと感じています。(あくまで個人的な感想ですが。)
私も修行時代は事務所経営(裁量権あり)と現場(裁量権なし)が明確に区分された事務所、いわゆる攻守分断型スタイルの事務所で現場スタッフと働いたことがあるため、裁量権のないスタッフの苦悩は身に染みてわかります。
そして期中にこのタイプの事務所から税務顧問を引き継ぐと、その現場スタッフの苦悩が会計データや証憑書類のメモから読み取ることができます。
⑴手入力主体の会計ソフトを利用。(現場スタッフが訪問先で経理。)
⑵クレジットカードに明細には手書きで勘定科目ごとに集計された金額の記載。
⑶時間内で経理することができず会計仕訳の摘要欄に「要確認」とメモ書き。(決算でまとめて確認するのかな?)
など。
現場スタッフが時間に追われて(それでも終わらず)業務を必死にこなしている姿が脳裏に浮かびます。
裁量権がないため、業務効率化できない原因を経営陣のせいにして、同じ現場スタッフと愚痴を肴に酒を呑んでるのかなと。(昔の私のことです(笑))
手入力作業はさっさとクラウド会計で省略。
私はその税務顧問を引き継ぐと、早速、自動経理ができるクラウド会計を提案。
お客さまの了承のもと、私が提案した会計ソフトを導入して頂きました。
導入期の通帳やクレジットカードの明細と正しい会計仕訳の紐付け作業にそれなりの時間を要しましたが、導入期が終える頃には自動経理機能を利用して多くの取引が一旦経理された状態で業務をスタートすることが可能となりました。
もちろん自動経理は手入力の作業が省略化できただけで、正しく経理されているかどうかの確認は必要となりますが、手入力を省略することで時間的にも精神的にも余裕をもって業務をこなせます。
前の会計事務所が4時間程かかっていた経理業務を1.5時間で済まし、余った時間は試算表の説明や社長の将来の経営計画や収支予測、日頃の悩みに耳を傾けるようにしています。
裁量権のある「独立」こそが業務効率化の大きな一歩。
前々節で述べたとおり私は修業時代、事務所経営は税理士、税務顧問の現場は資格のないスタッフが担当の事務所でスタッフとして働いていました。
現場サイドからお客さまの個別の事情に合わせた会計ソフトの変更や業務改善案を提案しても、その事務所と従来の会計ソフト会社の付き合いの関係や一スタッフの意見としてしか取り上げてもらえず、効率化を実現するのは時間もかかるし可能性も低いです。
効率化を最速で実現するためには現場スタッフが裁量権をもつこと。
そのためには現場スタッフが税理士資格を取得し独立して顧客を持ち、そのお客さまに合った会計ソフトの選定や業務改善案の提案、税理士側の判断もパッパッとこなし、最速で実現化することなのかなと思います。
また、税理士本人がお客さまの税務顧問を担当をするタイプの場合、業務効率化の知識やテクニックを現場で実現化する経験値を自分自身で積み重ねることもできます。
このタイプの税理士は、きれいな言葉(理念)よりも「実利(実際にできるか?)」を好むお客さまにより好かれます。(主に経営資源に限りにある零細企業の社長やスモールビジネスを営む経営者に好まれる傾向にあります。)
業務効率化の一つ一つの知識やテクニックの習得を1とすると、独立して裁量権をもつということは100ぐらい業務効率化に効果があるというのが今の私の考えです。
■本日の仕事、趣味日誌(フルート、フルマラソン、バイク、写真など)
午前中はフルート教室。今年6月の発表会は「精霊の踊り」に決定。
午後は久ぶりに両親とランチ。
その後は確定申告業務をしました。
1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒製造(フォークリフトマン&夜勤塗装)⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は、独立が業務効率化に与える効果、についてです。