売却代金よりも処分費用のほうが高いと価値ゼロ?
相続税申告の打合せをしているとお客さまから以下の質問を受けることがあります。
「相続した「自動車」なんですが、自動車を売って手に入るお金よりも廃棄・処分する費用の多くかかるから財産の価値はゼロですよね?」
「自動車」の箇所は
・家屋
・家庭用財産(棚、テーブル、イス、冷蔵庫、ベッド、テレビなど)
・趣味用品(カメラ、天体望遠鏡、宝石類、骨とう品、美術品など)
など、様々なパターンがあります。
この手の話を本当によく聴きます。
でも、この考え方でいると本当は相続税の申告が必要だったのに相続税の申告をしなかった。相続税の申告漏れなどが発生し、期限内の申告していけば適用可能だった優遇税制(小規模宅地等の特例、配偶者の相続税額の軽減など)の恩恵も受けることができずに無駄に多くの相続税を払ったり、税務調査を受けて追徴課税を受けるというリスクも高くなります。
処分見込費用は債務控除の対象?
相続財産を評価をするときに財産と債務は別々に評価します。
そして、相続財産から控除できる債務は、「相続開始の際に現に債務として存するもの」と限定されています。
処分見込費用は将来発生する見込費用であり、相続開始の時点で発生しているものではないの相続財産から控除できないことになります。
例えば、自動車の時価を30万円、処分見込費用を20万円としましょう。
自動車の評価額は30万円△20万円=10万円とするのは間違い。
処分見込費用は将来発生する見込費用であり、相続開始の時点で発生しているものではないので財産評価の際は無視します。
従って自動車の評価額は30万円となります。
財産別のよくある質問と正解
「相続した自動車。売ったら100万円ぐらいだけど処分廃棄しようとすると20万円の費用がかかるから、時価80万円ですか?」
→答え「いいえ。将来の費用である処分廃棄費用は債務控除の対象となりませんので自動車の時価は100万円です。」
「相続した家屋。固定資産税評価額は600万円だけど家屋を取り壊して更地で売ろうとすると家屋の取壊費用が700万円かかるから、家屋の時価はゼロですか?」
→答え「いいえ。将来の費用である家屋の取壊費用は債務控除の対象となりませんので家屋の時価は600万円です。」
「相続した家庭用財産や趣味用品。相続開始後しばらくたった後に遺品整理を業者に依頼したら60万円程かかりました。家庭用財産や趣味用品に60万円の価値がないと思いますから相続財産に含めなくてよいですね?」
→答え「いいえ。遺品整理業者の費用は実際に発生したかもしれませんが、相続開始後に発生して費用であり、相続開始の時点で発生しているものではないので相続財産から控除できません。従いまして家庭用財産と趣味用品の時価評価して相続財産に含めてください。」
となります。
繰り返しになりますが、「この相続財産は売却代金よりも処分費用のほうが高いから価値ゼロ」という考え方でいると、
・本当は相続税の申告が必要だったのに、相続税の課税価格が遺産に係る基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下のため相続税申告不要と誤った判断をしてしまった。
・脱税の意図はないのに結果として相続税の無申告を税務署に指摘をされた。
・期限後申告することになったが、期限内の申告していけば適用可能だった優遇税制(小規模宅地等の特例、配偶者の相続税額の軽減など)の恩恵も受けることができずに、無駄に多くの税金を支払うことに。
・税務調査を受けることとなり、追徴課税を受ける。
など、あまりよろしくない結果につながることもあります。
現に私が依頼を受けた案件の中にも上記の事例がございました。
「この相続財産は売却代金よりも処分費用のほうが高いから財産価値ゼロ」の考え方の人達は意外と多いと思いますが、そういった方達にこの記事が目にとまればと思います。
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にお あつし
こんにちは!
滋賀県大津市出身で京都府長岡京市に事務所を構える
税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は相続税業務の打合せでお客さまからよく質問を頂くものを紹介しようと思います。