税務顧問と申告のみプランの比較
法人事業主向けのサービスとして「税務顧問」と「申告のみプラン」を提供しております。
各サービスの詳細はリンク先のページに記載しておりますが、この2つのサービスを簡単に比較すると
サービス内容は、
➀税務顧問
→定期的に経理データのチェックと試算表の作成を実施。
→契約期間中はいつでも税務・経営相談が可能。
→期末に決算書と各種税目(法人税・消費税・地方税など)申告書を作成。
②法人申告のみ
→期末に決算書と各種税目(法人税・消費税・地方税など)申告書を作成。
※期中の経理データのチェックや試算表の作成はなし。税務・経営相談は別途有料。
となります。
もちろん、税理士側も「申告のみプラン」よりも「税務顧問」のほうが工数を多く要するため、
料金的には、「税務顧問」>>>「申告のみプラン」となります。
それではどちらのサービスのほうが需要があるかというと、弊所の法人事業主のお客さまの数で検証すると、
「税務顧問」8:「申告のみプラン」2
の割合であり、税務顧問のほうが需要があるものと推察されます。
定期的に試算表を作成することの効果
では、なぜ「申告のみプラン」よりも「税務顧問」のほうが需要があるかというと、期中に定期的に試算表を作成することにより業績予測・資金繰予測をして、適切なタイミングで適切な行動をしたいという要望をもつ法人事業主のお客さまが多いからです。
ここでいう適切な行動とは
・既存事業の売上計画や経費計画(事業計画)
・事業の生命線である資金繰計画(必要に応じ融資や補助金の検討)
・新事業の立ち上げ
・投資計画(金融資産の売買)
・節税対策
などです。
これらの行動は期末にまとめてやるものではなく、期中の適切なタイミングで実施する必要があります。(例えば、期末を過ぎて節税対策をしてもあとの祭りです。)
その行動の指針となるものが、その事業の正しい会計数値、
いわゆる試算表(会社の財政状態を表す貸借対照表、会社の業績を表す損益計算書)となります。
この試算表を期末だけに作成するのではなく、期中に定期的(理想を言えばリアルタイム)に作成し、税理士やその他の専門家と相談を織り交ぜながら適切なタイミングで適切な行動を取りたいという法人事業主さまが多いかなと思います。
また、お客さまの事業が大きくなればなるほどその需要が高くなる傾向にあります。
融資の際も期中の試算表を求められる!?
・金融機関から融資を受けている
・金融機関から新規に融資を受けたい
・融資を受けていなくても借入枠をつくっている(借入枠をつくることでいつでも借りれる状態にしておく)
場合には、金融機関に直近の決算書と申告書を提出することになります。
ただ、最近の金融機関の動向をみてみると、特に新規や追加の融資を受けたい場合、借り換えをしたい場合には、直近の決算書・申告書の他に、直近期末~現時点までの試算表を求められることが多くなりました。
税務顧問サービスを受けているお客さまは、定期的に最新の試算表を手に入れることができるので、金融機関のその要望に対応することが可能です。
いっぽうで申告のみプランのお客さまは、期中に試算表を作成することはないので、金融機関にその要望に対応することは難しいかなと思います。(対応策として直近の決算書・申告書が作成した段階で融資を申し込むという方法がありますが、その時点が融資を受ける適切なタイミングかというと必ずしもそうではないこともあります。)
資金繰は事業にとっての生命線。
その生命線を絶たないように、必要に応じて融資を検討することになります。
直近の試算表の提出を求められた場合にすぐに提出できるとやはり金融機関からの印象も良く審査が通りやすくなります。
すぐに試算表が提出できる→社内の経理体制が整っている→試算表や決算書の精度も高い→信用に足る、という考えです。
以上が税務顧問と申告のみプランの比較となります。
弊所の統計でいうと、法人事業主の場合には、申告のみプランよりも税務顧問サービスのほうが需要があります。
今回はその要因分析でした。
ご参考ください。
-編集後記-
午前中は音楽教室。
午後から元同僚と京都駅でランチ
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は、「税務顧問」と「申告のみプラン」の比較についてです。
ご参考ください。