【独立開業】「客がない」「収入がない」。「ない」ことの経験は、いずれ自分の大きな武器となる!

夕陽の中の相棒と私
夕陽の中の相棒と私

昨年の4月に独立開業して1年半が経とうとしています。

私の独立は、「顧客ゼロ」で特に看板を立てず1DKの居住用マンションの1室を事務所としてスタートです。

この1.5年の間で多くの仕事を受注できたことで自己資金が貯まり、お金の心配せずとも食べることができる状態になりましたが、振り返ってみれば「ない」ことを経験し、それを克服したことが私に一定の自信をもたらしたと考えています。

今回は私が経験した「ない」とその克服について紹介します。

「客がない」と経験して得たもの

私の場合には、以前勤めていた会計事務所から「のれん分け」はなく独立当初は「顧客ゼロ」の状態でした。

いわゆる「仕事」がないけど「時間」だけがたくさんある状態。(今となっては大切な時期で感じていますし、自分を慢心させないためにも必要な時期です。)

最初の受注は「月次支援金」の事前確認機関の仕事。

私が独立した時期にちょうど「月次支援金」の登録確認機関の募集をしている最中であり、過去の補助金業務の経験を活かせるかもしれないと思い登録。

ホームページに月次支援金の事前確認の問い合わせ専用ページを作成し、月次支援金関連の専門的な記事を書いて全国の申請者にSNSで情報発信しました。

最初は何も反応はありませんでしたが、1週間程経って次第に問い合わせが増えるようになりました。

独立開業して最初の売上金額は3,000円。

金額は少額ですが、その売上げを自らの手で掴みとったいう経験、ようやく社会に貢献できたいう喜びは今でも記憶しています。

その後は同業者の先輩税理士の仕事を手伝ったり、他士業、商業団体等からお客さまを紹介して頂いたり、時には私が書いた記事をみたお客さまからホームページやブログに問い合わせを頂いたりとなど、次第に仕事を受注するようになっていきました。

また、自分なりに狙いをもって活動していれば、早かれ遅かれいずれ成果に結びつくという経験をできたというのも良かったと思います。

今は順調に売上げを伸ばしていますが、今後事業活動するうえでいずれ売上げが伸び悩む時期も来ると思います。

そのときは、その暇になった時期を事業活動上の休息時期を捉え、独立当初の「0→1」の経験を活かしながら、事業を再構築していきたいと思います。

「収入がない」を経験して得たもの

前節で述べたように顧客ゼロからの独立開業スタートのため収入なし。

加えて事業活動に必要なプリンタや机、棚、椅子等の備品、会計・税務ソフトなどへの設備投資、行政書士・商業団体等の登録・入会などの出費が重なったこともあり独立後しばらくは赤字が続きました。

開業資金に余裕はあったものの、日が経つに連れて貯金残高が目減りしていく状況をみて当時は不安に感じていました。

また、なるべく貯金の目減りをとめるために、事業活動以外の支出を限りなくおさえました。

既契約の有料サービスもやめ、趣味のバイクツーリングも我慢、飲み会等に誘われていても基本は断っていました。

食費も節約。

朝食抜き、昼食もおにぎりと鯖缶。そのぶん、夕食は栄養を補給するためしっかり食事をする等。

今の自分がこの世の中を生き抜くために「最低限必要なものは何か?」というものを考えるようになりました。

自分の収入に応じて、生活水準の調整を図る。

世間では良く「一度上がった生活水準は、収入が落ちても下げれない」といいますが、決してそんなことはないと思います。

この世の中を自らの手で生き抜くことを真剣に考えれば、生活水準を落とすことぐらいそこまで難しいものではありません。

「収入がない」という時期は、「本当に必要なもの」を見つけるきっかけ、環境に順応するために柔軟に自分の考えや習慣を変化させる大切さを知る良いきかっけです。

本当に「お客がいない」「収入がない」時期を経験して良かったなと思います。

「スペースがない」を経験して得たもの

去年の秋頃から仕事が徐々に増えはじめ段々と忙しくなってきました。

当時からペーパーレス化の大切さを知ってはいましたが、受注した仕事の多くが資産税で課税リスクが高い案件だったこともあり、一旦資料を紙に出力して調書を丁寧に作成、成果物の事務所控えも丁寧に製本して保管していました。

そんな感じで紙に囲まれながら仕事をしていたこともあり、昨年の年末頃は保管棚の中が資料でパンパンの状態。

新しく保管棚を買うことも頭によぎりましたが事務所スペースが狭くなることが嫌だったため、本格的にペーパーレス化を進めるようにしました。

調書はAcrobatReader(有償版)を利用して、電子データ(PDF)に直接書き込むようにしました。

以前は電子データで調書をつくると資料の見落としが発生しないか?などと根拠のない不安を感じていましたが、実際に電子調書の作成に慣れると、紙調書と電子調書で見落としリスクに差異がないことを知りました。

電子調書は調書の差し替えも容易でまた紙に出力する必要もないので作業時間や紙代、インク代のコストも削減することができます。

また、成果物も電子データで保存することに切り替えたことで、今でも独立当初に購入した保管棚で事足りています。(今の保管棚にある紙の資料も電子データ化している最中です。)

電子データが消えないようにクラウド保守サービスにお金をかけるようになりましたが、保管棚を追加で購入する費用、事務所のスペースが狭くなるストレスに比べれば安いものです。

「事務所が狭い。」

一見デメリットも感じるかもしれませんが、そのデメリットがあるからこそ、それを克服するために自分なりにアイデアを考え実際に行動し経験値を得ることができます。

また、事務所が狭いと掃除も楽というメリットもあります。

今回は私が経験した「ない」を紹介しました。

この「ない」ことはデメリットである反面、その「ない」を克服するなど一定の条件を満たせばメリットに転じることがあります。

「ない」を経験しそれを克服した経験は、この激動の時代を生き抜くうえでの大きな糧となります。

私はこの糧を自分のコア(核)として生きていこうと思います。


プロフィール

相続・贈与・譲渡などの資産税サービス

会計・税務サービス

税務相談サービス


■編集後記

本日はオフ。

昼から滋賀県フルートフェスティバルの1回目の練習に参加。

税理士 丹尾淳史
税理士 丹尾淳史

1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒製造(フォークリフトマン&夜勤塗装)⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら

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