確定申告時期に遭遇するfreee案件
2月中旬から3月上旬にかけて問い合わせが多いのが、
「freeeの入力はひととおり終わったけど、操作方法がよくわからないので税理士のサポートを受けながら確定申告を終わらせたい。」
という内容の問い合わせです。
「税理士(私)じゃなくfreeeのカスタマーサポートセンターに聞けばいいのに?」と心の中では思いながら、丁重にお断りをさせて頂いております。
ちなみに私はfreeeアンチではなく、まあまあfreeeを推奨しており、継続契約の税務顧問先さまにはfreeeを提案し導入もさせて頂いております。
では、なぜ確定申告時期のfreeeのスポット依頼をお断りさせて頂いているかというと、結構な確率で手間がかかる割には報酬の低い、いわゆる地雷案件に遭遇する可能性が高いからです。
地雷案件とは?
「地雷案件」というなかなか失礼な言葉ですが、今回はあえて使いますね。
同業者内での確定申告時期のfreeeのスポット業務の噂ですが、
お客さまから「freeeの入力は終わっているからその後の確定申告作業のサポートだけでいいよ。その代わり料金は安くしてね」との依頼があり、
その税理士が依頼を受けてfreeeのデータの中身を見てみると、中身がグチャグチャ。
・期中の現金残高がマイナス
・預金残高が実際の通帳残高に合っていない
・取引先や品目が未入力
・修繕費や消耗品費に固定資産が含まれており固定資産台帳の作成も不十分
・現預金の収支基準で発生基準の計上にはなっていない。
・預金やクレジットカードの同期が上手くいっていないのか、手入力と自動経理による二重計上
・消費税の課税区分がぐちゃぐちゃ
などの多くのエラーが発生しており、
税理士も「これは全体的な修正や追加の会計処理が発生しますね。請求書や領収書などの書類もチェックする必要があるので、追加で○○時間の工数が発生する見込みで、○○万円ぐらい費用が発生しますね」と回答すると、
「そんなの聞いていないよ。むしろ、全体的な修正や決算整理も含めてのサポートだよね。そんなの税理士側の都合じゃん。」という主張されるお客さまもおられるようです。
「(その料金で全部)やってよ」
「弊所では難しいですね」
「(その料金で全部)やってよ。できればサポート期間中は税務相談をしてもいいよね」
「お断りいたします」
と押し問答が続き、時間を無駄に浪費。
お客さまの押しに弱い税理士は、泣く泣く依頼を受けることも。
こういった事例がfreee関連で確定申告時期に多発しているのはよく聞きます。
上記は税理士側の目線で話しましたが、お客さま側も申告期限が近づくに連れて焦ると思います。
「申告期限までは提出しないといけない。なのに税理士と押し問答をしているだけで前々前に進まない。」と。
まあ、この地雷案件は、お客さま・税理士双方にとってもよくない案件かなと。
年に2回は会う。そして1回目は6月~10月に。
freee利用者の中には継続契約の税務顧問ではなく、確定申告時期だけスポットで仕事を依頼したいというお客さまは多くいると思います。
それでもfreee利用者のお客さまには年に2回以上は税理士と会うのを個人的におすすめします。
税理士にとって一番怖いのは、確定申告時期に膨大な仕事を抱えているときに、自分が想定していたよりもはるかに作業も時間も要する、その割には報酬の低い案件に遭遇することです。(その案件に遭遇すると、最悪、他の仕事にも影響が出て、他のお客さまに迷惑をかけることがあることも。)
逆に確定申告時期の前、できれば仕事がおちつく閑散期6月~10月に一度打ち合わせをfreeeのデータをチェック。
freeeのデータをチェックするとお客さまのミスの癖も把握でき、お客さまに改善方法をお伝えすることもできます。
改善後のfreeeのデータであれば、確定申告時期でも税理士は安心してそのデータを受け取ることができます。
また、事前に打ち合わせをするだけで税理士側はお客さまの確定申告枠をあらかじめ設けることができ、そのお客さまの依頼を受ける前提で確定申告時期の計画を組むので、お客さまが断らない限りは、その依頼は無事に遂行されるでしょう。
税理士側の視点での話にはなりましたが、是非ご参考頂けますと幸いです。
当事務所のご案内
当事務所は通常の税務顧問業、資産税(相続税、贈与税、譲渡所得税、不動産評価、自社株評価など)に強い長岡京市の税理士兼行政書士です。
リモートで全国のご相談も承っておりますので、お困りの方はぜひお問い合わせ下さい。(問い合わせはこちら)
-編集後記-
午前は、確定申告業務2件の打合せ
午後は、資産税業務。夕方は滋賀に移動。
Garminのトレーメニューを実施。今日は39分ジョグでした。
本日、長岡京市久貝のやよい工房で500円の日替わりランチ。
にお あつし
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は、確定申告時期によくお問合せのある案件についてです。