個人事業主の方やフリーランスの方の貸借対照表に計上する口座について整理しました。
口座に関する質問
個人事業主であっても貸借対照表(B/S)に普通預金を計上しますが、口座をどの数だけB/Sに計上すべきかよく質問を受けます。
100%事業用の口座は迷うことなくでB/Sに計上すると思いますが、事業とプライベートの支出が混在している口座(以下「家事関連費口座」)や一切事業の支出に使用しない口座は計上すべきなのか?という質問です。
会計処理を間違わなければ問題ない
家事関連費口座や一切事業の支出に使用しない口座をB/Sに計上すべきか?
結論は事業やプライベートの支出の会計処理を間違わなければ問題ないかなと思います。
例えば、家事関連費の口座をB/Sに計上している場合で、その口座からプライベートの支出をしたときは、
事業主貸 ××× / 普通預金 ×××
として会計処理をして事業の経費にしなくてよいだけですし、
逆に、家事関連費の口座をB/Sに計上していない場合で、その口座から事業の経費を支出したときは、
経費 ××× / 事業主借 ×××
として会計処理をして事業の経費として計上するだけでいいのかなと思います。
ポイントは事業主貸/借勘定を上手に使いこなすことです。
一切事業の支出に使用しない口座についても基本的には同じ考えとなります。
家事関連費口座をB/Sに計上して、自分の全財産を紙1枚で一元管理するメリット
私もひとり税理士として個人事業主(フリーランス)をしていますし、毎日経理もしています。
家事関連費の口座や一切事業に使用しない口座をB/Sに計上する派、計上しない派でいうと計上する派です。
なぜかといと、自分の全財産の状況をB/Sという 1枚の紙でリアルタイムで把握したいからです。(B/Sは自分の全財産の状況、損益計算書(P/L)は事業のみ、という感じ。)
もちろん、全員におすすめすることは難しいですが、
自宅(自宅兼事務所)は借家で保有している固定資産は少ない、資産のうちに貯蓄(現金、預金、積立保険、投資信託など)の占める割合が高い方、プライベートの借金がない方にはおすすめかなと思います。(いわゆるシンプルな生活の方)
1枚の紙で一元管理をすると、ぱっと見でリアルタイムに自分の財産状況を把握できるため、自然と自分の全財産の状況を確認する機会が増えます。
自分の全財産の状況を把握する機会が増えれば、例えば
「近い将来、これだけ現預金が増加し減少する予定だから、これぐらい稼ごう。事業の経費やプライベートの支出の見直しも必要だな」と
売上目標の設定回数の頻度や、事業の経費を見直す頻度も増え、自然とお金が貯まりやすい体質が身につきます。
それに、そのお金の支出が経費やプライベートの支出なのか、それとも投資信託などの将来のお金を増やすものに単に変わっただけなのか、理解し納得することもできるため、お金の支出に一喜一憂しなくなります。
比較的シンプルな生活をしている個人事業主やフリーランスの方は
「あなたの全財産はいくらですか?」という質問に一瞬で答えれるレベルになれるよう
B/Sという1枚の紙で自分の全財産を把握することをおすすめいたします。
お金が貯まりやすい習慣がつくと思います。
■編集後記。
1日税理士業
■運動は仕事
仕事の合間に筋トレ&移動は徒歩
1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒製造(フォークリフトマン&夜勤塗装)⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら
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