他の職業人をリスペクトした表現を!
とある信託銀行のポスターにこう言った文言がありました。
「・・・相続の手続きに不慣れな方や時間に余裕のない方に代わって預貯金・株式・不動産の名義変更、税務申告など○○信託銀行がお手続きいたします。」
もちろん金融機関が、相続人に代わって不動産の名義変更や相続税申告などをやると違法となるため、提携先の司法書士や税理士に依頼するのでしょうが、税理士である私は信託銀行のこの表現にものすごく違和感を感じます。
「不動産の名義変更、税務申告などは○○信託銀行が提携先の司法書士や税理士とタッグを組んで承りまります。」という表現であれば納得はいきますが…。
「信託銀行は相続のことなら何でもできる」と一般の方々に擦りこませる手法はどうなのか?
ちなみに税理士が「弊所では不動産の名義変更のお手続きをいたします。」とホームページに記載すると、非司行為(違法)のリスクありとなり、クレームの嵐、信用されなくなります。(逆もまた然り)
士業の世界では、士業それぞれ独占業務があり、お互いの専門領域の境界(業際)を踏み込まないというルールがあります。(別に士業に限った話ではなく、専門職の世界ではよくある話です。)
私も不動産の名義変更のお仕事は懇意にしている司法書士の先生に依頼しますし、司法書士の先生からも税務のお仕事を依頼を頂いております。(お互いの間で手数料などは存在しません。)
お互いの専門領域の境界(業際)を踏み込まない、
「業際を踏み込むの?」と思わせるような表現をしない、
ことは、他の職業人をリスクペクトをするということです。
独立&事業活動をして得た教訓として、自分とは異なる他の職業人をリスペクトすることも事業の成功の要因の一つであるということです。
そのためには自己の利益追求のための「表現」をするのではなく、他の職業人の誇りある仕事に一定のリスペクトを保った表現をすることが大切です。
余談で手前味噌な話とはなりますが、
銀行が提供する遺産整理業務は、相続業務なかでも銀行単独でできる範囲がかなり狭く(財産目録作成のために評価証明・謄本の資料収集がメイン)、いっぽうで費用はかなり高額となります。(銀行の店舗の家賃、販売管理費、人件費などが含まれるため。)
不動産の名義変更は司法書士の先生に、税務申告は税理士に直接依頼したほうが費用は圧倒的に抑えることができますし、不動産名義変更や税務申告の過程で評価証明・謄本の資料収集もやります。(これらの業務は不動産名義変更業務や税務申告業務の構成要素のひとつ(いち業務)に過ぎません。)
相続業務を依頼されたい方がございましたら、その点ご留意くださいね。
当事務所のご案内
当事務所は税務顧問業に加え、資産税(相続税、贈与税、譲渡所得税、不動産評価、自社株評価など)にも強い長岡京市の税理士兼行政書士です。
リモートで全国のご相談も承っておりますので、お困りの方はぜひお問い合わせ下さい。(問い合わせはこちら)
-編集後記-
本日は資産税業務をメインに。午後から税務顧問業。
こんにちは!
マラソン・バイク・フルートをこよなく愛する
京都府長岡京市在住の税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回は、、他の職業人のリスペクトを置き去りしない表現についてです。