税込経理と税抜経理の違い
会計の勘定科目には、大きく分けて5つのカテゴリーがあります。
・資産科目(例:現金)
・負債(例:借入金)
・資本(例:資本金)
・収益(例:売上高)
・費用(例:仕入高)
このうち収益科目と費用科目を税込金額で経理することを「税込経理」と言います。
現金(資産) 1,100万円 / 売上高(収益) 1,100万円
仕入高(費用) 550万円 / 現金(資産) 550万円
この場合、会社の儲けは収益△費用をすることで算定することができますが…
売上高(収益) 1100万円 △ 仕入高(費用) 550万円 = 550万円
この550万円を会社の儲けと考えて良いのかと考えると、答えはNo。
事業主は消費税を納税する必要がありますので
租税公課(費用) 50万円 / 未払消費税等(負債) 50万円
と今期を終えた後の決算で経理し、法人税等の計算をする前の会社の儲けは
550万円 △ 50万円 = 500万円
となります。
いっぽうで収益科目と費用科目を税抜経理をすることを「税抜経理」と言います。
現金(資産) 1,100万円 / 売上高(収益) 1,000万円
/ 仮受消費税(負債) 100万円
仕入高(費用) 500万円 / 現金(資産) 550万円
仮払消費税(負債) 50万円
税抜経理は税込経理と異なり、法人税等の計算をする前の会社の儲けを計算することができます。
売上高(収益) 1,000万円 △ 仕入高(費用) 500万円 = 500万円
ちなみに消費税の経理は
仮受消費税(負債) 100万円 / 仮払消費税(資産) 50万円
/ 未払消費税等(負債)50万円
となります。
これらの基礎知識を覚えて、なぜ資金繰計画をする際に税込経理ではなく、税抜経理をする必要か考えてみましょう。
税込経理での資金繰計画の落とし穴
将来の資金繰計画に絶対に欠かしてはいけないので消費税です。(あと個人的には社会保険料)
資金繰りで事業主の頭を悩ませるのが消費税の納税です。消費税の納税は他の税目と比較して多額の傾向にあり、資金繰を圧迫する原因となります。(現に資金繰りの理由で消費税を未納・分割払いする事業主も多いです。)
また、キャッシュフローの簡易計算は以下の算式となりますが、この算式は税理士・会計士、金融機関等や商工会、でもよく用います。
(キャッシュフロー簡易算式)
損益△費用(+減価償却費など支出を伴わない費用)△借入金等の負債元本返済額
ここで、売上高(損益)1,100万円、仕入高(費用)550万円、借入金(負債)300万円返済したという取引を税込経理でみましょう。
現金(資産) 1,100万円 / 売上高(収益) 1,100万円
仕入高(費用) 550万円 / 現金(資産) 550万円
借入金(負債) 300万円 / 現金(資産) 300万円
これをキャッシュフロー算式にあてはめてみると、
売上高(収益)1,100万円△仕入高(費用)550万円△借入金(負債)300万円
=250万円となります。
では、250万円を全額使えるお金と認識するのは危険です。なぜなら、この250万円から消費税を納付する必要があります。
消費税の仕訳は前節で述べてとおり、
租税公課(費用) 50万円 / 未払消費税等(負債) 50万円
となりますが、これは今期が終わった後の決算業務で経理することになります。
消費税の納税を考えると
250万円△50万円=200万円が使えるお金となります。(実務上はあと法人税等を考慮する必要があります。)
もし、消費税を計算する前に250万円全額を設備投資や他の経費の支払いに使った場合には、資金繰50万円が不足となり、資金がショートしてしまいます。
実務上も税込経理だと期中に消費税の納税額を把握することが難しいため、資金繰計画をたてるうえで税込経理はおすすめしません。
税抜経理で消費税の納税資金を貯めよう
(キャッシュフロー算式)
損益△費用(+減価償却費など支出を伴わない費用)△借入金等の負債元本返済額
ここで、前節で挙げた売上高(損益)1,100万円、仕入高(費用)550万円、借入金(負債)300万円返済したという取引を税抜経理でみましょう。
現金(資産) 1,100万円 / 売上高(収益) 1,000万円
/ 仮受消費税(負債) 100万円
仕入高(費用) 500万円 / 現金(資産) 550万円
仮払消費税(負債) 50万円
借入金(負債) 300万円 / 現金(資産) 300万円
これをキャッシュフロー算式で にあてはめてみると、
売上高(収益)1,000万円△仕入高(費用)500万円△借入金(負債)300万円
=200万円となります。
つまり、税抜経理は決算をしなくても期中に消費税の納税を加味した資金繰計画をたてることができます。(実務上はあと法人税等を考慮する必要があります。)
もう一度、以下の仕訳を確認してみましょう。
現金(資産) 1100万円 / 売上高(収益) 1,000万円
/ 仮受消費税(負債) 100万円
この仕訳を分析してみると
現金(資産)1,100万円増えているのに、業績(収益)は1,000万円しか認識していません。
差額の仮受消費税100万円は、消費税の納税資金として会社の中に蓄えたと考えることができます。
つまり、税抜経理は消費税の納税資金を別途蓄えながら損益を算定することができます。
決算業務を待たず、期中から消費税を加味した資金繰計画をたてたいのであれば、税込経理よりも税抜経理を選択しましょう。
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■京都府
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にお あつし
こんにちは!
滋賀県大津市出身で京都府長岡京市に事務所を構える
税理士の丹尾 淳史(にお あつし)です。
今回の記事は、課税売上割合が95%以上で、かつ、課税売上高が5億円以下の中小零細企業の事業主さまのための記事となります。
テーマは簿記技術のひとつである税抜経理で消費税を予測して資金繰計画をたてることのすすめです!