毎年12月頃から来年の確定申告申告時期(翌年3月15日)まで税務相談に従事する機会が増加します。
税務相談には「無料相談」と「有料相談」には2つあり、
私の場合には、
税理士会の活動等で従事する税務相談は「無料の税務相談」。
いっぽうでお客さまから個別に税務相談を受ける場合には「有料の税務相談」
となるケースが多いです。
今回はその「税務相談」について私の考えの整理しました。
「無料の税務相談」についての私の考え
税理士会等で従事する税務相談は「無料の税務相談」。
私の地域では対象者は小規模納税者等に限定されますが、小規模納税者は対価を払わずに税理士に税務相談をすることができます。
私は事務所のサービスで有料の税務相談サービスを提供していますが、無料の税務相談で有料の税務相談と同水準のサービスを提供しているかというと決してそうではありません。
無料の税務相談時には、メモをとったり、電卓を叩いたりなどの手を動かすことはしません。
また、所得や税額など個別具体的な内容を回答することもしません。
納税者の質問に対しては終始一般的な回答に努めるようにし、最終的な税務判断は納税者本人に委ねるようにしています。
税務相談は税理士の無償独占業務がゆえに、無料相談でも個別具体的な回答をした場合にはその回答に責任を負うことになります。
今の私には「無料」でその責任を負う度胸はありません。
「無料の税務相談」における私の役目とは、納税者の方の税金の悩みや不安を解消できる道筋を示すことかなと考えます。
無料相談に来られる納税者の方は、頭の中にたくさんの不確かな情報をもったパニックな状態の方が多いです。
その状態の方に解決策の方向性を導きだすことも大切な仕事だと私は思います。
「有料の税務相談」における私の考え
「有料の税務相談」のサービス内容は、「無料の税務相談」のサービス内容とはまったくの別物です。
「有料の税務相談」の場合には、
お客さまの税金の悩みや不安をヒアリングして資料をじっくりとチェックします。
お客さまの事情に対し、どの税制上の規定を適用できるかを検討、その税制の特例を適用後の所得の計算や税額計算をします。
また、課税所得や税額に大きな影響が与える質問については、報告書等を作成して課税リスクのポイントと影響、そしてその解決策をお客さまに理解して頂けるようにひと工夫しています。
これがいわゆる個別具体的な検討となります。
お客さまから対価をもらう以上、お客さまの税金の悩みや不安を解消するために税理士として本気でのぞみますし、個別具体的に検討し導きだした回答については、税理士として一定の責任を負うことなります。
人やものが動いたときにおカネも動く
「有料相談」と「無料相談」のサービス内容について明確な差をつけるのか?
それは私のなかに
「人やものが動いたときにおカネも動くというのが商売の基本」という考えがあるからです。
人のもつ「時間」は有限なもの(生~死)、「限り」があります。
ゆえに人のもつ「時間」は価値あるものです。
人が動くということは価値ある「時間」を消費すること、
他人が自分のためにその人自身の価値ある「時間」を消費した場合には、その人に対して対価を支払うことは自然なことかなと思います。
私は、商売上、誰かのために自分の時間を消費した場合には対価を頂きますし、他人が自分のためにその人の時間を消費した場合には対価を支払うことにしています。(当たり前のことですが)
そのため「無料」のサービスには抵抗がありますし、直接商売をするなかで「無料」を好む方とは距離を置いています。
万人に好かれなくても、私の価値観を理解してくれる方にのみサービスを提供をするだけで商売はやっていけます。(税理士業なら尚更のこと)
有限である「時間」の価値を知るからこそ、「有料相談」と「無料相談」のサービス内容に明確な差をつける、というのが私の現時点での答えとなります。
■編集後記
今週末に奈良マラソンに参加します。
今週は軽いトレーニングで疲労をためないようにします。
1984年10月30日生まれ。滋賀県大津市生まれ。京都府長岡京市在住。ひとり税理士。相続や会社・フリーランスのための経理やお金を残すサポートが得意。前職は営業マン⇒製造(フォークリフトマン&夜勤塗装)⇒フリーター⇒税理士補助といろんな職種を経験。ビッグ4(現:デロイトトーマツ税理士法人)にも在籍。いい意味で税理士っぽくない税理士。趣味はランニング、バイク、フルート、風景写真。詳細はこちら
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